僕の気楽飛歩日記

戦中派老人の赤裸々な日記から

グループ旅行・信州

10月27日(金)

 台風21号と22号の間隙を縫うごとく信州へドライブ旅行に出かけた。というより、計画は半年前だから台風が旅行日を外してくれたようなものだ。

 朝6時にわが家を出発していつものグループ3人と合流しながら阪和自動車道に入った。

 通勤ラッシュに合わないよう6時に出発したのが成功して車は多いがスムーズに流れている。

 阪和自動車道近畿自動車道第二京阪道路京滋バイパス名神高速道路―中央自動車道で岡谷インターまで走破、12時前に諏訪大社の秋宮に到着した。

 6時間に及ぶ高速道運転に備えて前日薬局で購入した眠気除去剤を飲んでいた。カフェイン30パーセント入りのドリンク効果があったらしく気分は高揚し楽しいドライブを楽しめた。

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               諏訪大社秋ノ宮

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               諏訪大社春ノ宮

 参拝の後、門前にあるソバ屋で昼食にしたが、ソバは固く愛想の悪い店だった。食後の薬を飲むための水をお願いしたが無視され気分を害して店をでた。諏訪大社の春宮へ移動して参拝の後、国道142号線を北上して東御市の海野宿に到着した。駐車場から歩いて宿場町を散策する予定だが女性軍は街入口の店先に立ち止まって動かない。

観光に来たのに観光しないとはどういうことか。

イライラしながらいくら待っても歩く気配はない、独りで散策して店まで帰るとまだ買い物をしているしまつだ。

―これも、旅の楽しみか。

 と自分で自分を納得させた。

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 買い物が終ったところで駐車場へ帰り、湯ノ丸高原を越えて、休暇村嬬恋鹿沢に着いたのは夕方16時半だった、すでに薄暗くなっている。ちょうどいい時間に到着した。

 大阪、京都、滋賀、岐阜、長野、群馬と6つの県を跨いで走ったことになる、走行距離400キロ強だ。

 さっそく温泉に入浴し、18時にレストランでバイキングを堪能した。ところが気分高揚したままアルコールには弱いのにビールを中ジョッキで飲んでしまった。

昼に飲んだ眠気除去薬も加担したのか酔いが一気に襲ってきた。

部屋に戻るなりバタンキュー、朝までグーグー。

 

10月28日(土)

 気になる台風22号はまだ九州東方沖にいる。それでも梅雨前線が刺激されているということで今日は午後から雨になる予報だ。雨が降るまでに上田城小諸城を観光するべく8時半に出発。1時間ほどで上田城に到着した。

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大急ぎで観光を済ませて小諸城に移動した。

「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ 緑なす はこべ は萌えず 若草も藉くによしなし・・・島崎藤村

中学2年のとき国語で習った詩である。

一度来たいと思っていた城は紅葉盛りで美しい。

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 小諸城の見学を終えるころ雨が降りだした。

 国道沿いの古民家風ソバ屋で信州ソバを食べようとメニューを見ると「きつねソバ」と「たぬきソバ」がある。関西では甘く煮込んだアブラアゲをソバに入れたものをタヌキといい、ウドンに入れたらキツネと言っている。さっそく愛想のよさそうな娘さんに聞くと、いずれもソバでタヌキは甘く煮たアブラアゲが入って、キツネは丸い天かすのようなものが入れてあるとのことだった。関西と関東の違いを見て「ほー」の連続だ。

 関西におけるキツネとタヌキの違いを店員の娘さんに言うと、「えー!」っと驚いた。

 屋内の柱や鴨井など材木は大きな欅で漆まで塗ってある。これも聞くと元庄屋の家屋を移築したものだという返事だった。

店員さんの接遇もよくソバも美味かった。

野沢菜の漬物が付いていた。

「うまいな、これ買って帰ろうか」

 この店で売っているのを見ていた女房が言った。

「それなら、地元のスーパーで買うほうが安いで」

 僕が小さな声でとめた。

 外に出ると本格的に雨が降っている。

「これでは仕方ない、ドライブで車窓見物だ」と予定を変更し浅間山鬼押出し園へ車を走らせた。

 カーナビに頼っているとどこを走っているのか分らなくなる、ふと気づくと軽井沢だった。

 紅葉真っ盛りだ、雨に煙る紅葉のトンネルを走りながら「うわーきれい」の連発。

軽井沢まで来たとは思わぬ得をした」と皆が喜んでいる、まさに僥倖だ。

 人と車の多い軽井沢を抜けさらに続く紅葉かぶさる道路は霧と雨にけむり幻想的だ。「来てよかった」と興奮しながら鬼押出し園に到着したが豪雨のためそのまま走行してホテルへ帰った。

 夕食、皆が勧める酒を「恐い」と断り、禁酒の食事で済ませた。

 台風が日本列島を襲うというのにホテルは満室らしい、広いレストランも満席だ。

 バイキング形式だから自分の好きな料理だけを選んで食べるのもうれしい。

 自分に必要な分量だけ摂って食べ残しはしないというマナーもいきわたっているようで、多くの料理を残したまま席を立つ客はいない、さすが日本だと感心する。

 

10月29日(日)

 台風は午後15時に和歌山付近に来る予報だ、ちょうど僕らが大阪に着くころだ。

「やばいな、とにかく走って、どうしようも無くなったらどこかの町へ下りてショッピングセンターで時間を潰しながら台風の通過を待つしかない」と見切り発車した。

 雨は昨日の午後から降り続いている。

 今日は142号線で諏訪まで出ようとカーナビを設定したが、またしても変な所を走らされる。

「どこを走っているのか、さっぱり分からない。途中から142号線を逸れていることは確かだ」

「車を止めて地図を確認しようか」と話し合っているとき、見覚えのある湖にでた。

白樺湖だ、こんなところへ連れてきたのか」

 己の設定が悪いのにカーナビのせいにしている。

 高速道へ入る手前で地元のスーパーを見つけた。

 僕のもくろみどおりソバ屋と同じ野沢菜の漬物が半値以下で売っていた。さっそく買いあさっている。

 諏訪湖サービスエリアで軽い昼食を摂り、眠気除去剤を飲んで12時に出発した。

「雨は降っているのに路面に水が溜まっていないな」

「高性能舗装といって表面の水は地下に沈んでいくらしいよ」

 渇いているような路面だからスリップする可能性は少ない。雨は降っても気持ちのいいドライブだ。

 眠くなってきた。薬を飲んでいるのにあまり効かないなと思ったらもう恵那山トンネルに達していた。かなり長時間走っていたのだ。

 神坂(みさか)パーキングエリアでトイレ休憩。

 ふと空を見ると雲が一方向に動いている、台風の雲だ。

「台風が近づいている」

「台風に突入は避けられないな」と言いながらスタートするとまもなく豪雨になった。

スピードを落としライトを点けて走っているが前の車が見にくいほどだ。

上り車線を走るトラックが数メートルも高く跳ね上げた水の塊が僕らの車にドッとぶつかってきた、瞬間視界ゼロだ。

「ヒヤー」同乗の女性らは悲鳴をあげている。

 車内が静かになった、固唾を飲んだ状態だ。

「心配いらないよ、風速38メートルの中を走った経験があるから慣れたもんだよ」

 皆を安心させるが、風はまだ強くないから助かる。

 養老サービスエリアで豪雨の中下車して休憩。

 案内所のお姉さんに「今、台風の目はどこにあるか」と聞いたら「室戸岬の東方です」と返事がきた。

「やばいな、我々が大阪に入るころが一番接近しているときや」

それでも強行だ。米原彦根八日市と豪雨の中を走りつづけ、草津のパーキングエリアで最後のトイレ休憩をとることにした。一つ手前の菩提寺パーキングエリア辺りを走行中、

和歌山県全域、三重県全域の警報が解除されました」とラジオ放送を聞いた。

「お、助かった、台風は通過したんやな」

 まだ豪雨の中を走っているのに万歳三唱だ。

 草津パーキングエリアに着いたときには雨は上がっていた、東の空は青空が出ている。

「よかった、よかった」

 大いに喜び気持ちも軽やかに雨上がりの道路を走り、18時すぎには家に着いた。

 これで今回旅行の旅費は一人当たり35000円だった。

 それにしても僕は重度の腰痛持ちであるにもかかわらず全く支障なく運転できることがありがたい。