僕が小六のときだった。理科の本でモーターの構造図が出ていた、そして数ページ後ろには発電機の構造図があった。何回見直しても構造は同じにしか見えない。そこで一つの模型モーターの回転軸ともう一つの模型モーターの回転軸をジョイントでつなぎ、二つ目のモーターの入力用コードに豆球を付けて回転させると電気がついた。
「よし、これだ」とひらめいた僕は納屋にある縄ない機の工具箱から予備部品の歯車を大小2個を取り出して、放置してあった自転車の前輪を外し、大きい方の歯車を取り付けた。モーターには小さい歯車を取り付けて、自転車の車輪を大きく回すと豆球が点灯した。
この話を孫に話したことがあった。
「今年の自由研究にしたい」
と小5の孫が言ったので制作することにしたが歯車がない、模型用の歯車を台車の車輪を使って回そうとしてもうまくいかない。
仕方ないので二個の模型モーターを使用して一方のモーターは電池で動かし、回転軸をもう一方のモーターの軸にジョイントで繋いだ。発電用に使ったモーターからのコードは電柱2本を伝って紙で作った家の中に引き込んだ。
スイッチを入れると家の中の豆球が点灯した。
これで完成だ。
50センチ四方の板に取り付けたから「どうして学校へ持って行こう」と孫は困ったような口ぶりだったが出来栄えは満足していた。
「これなら絶対、賞をもらえる」
と爺は自己満足だ。